2008年3月27日
離陸してしばらく。シートベルトの着用サインが消え、窓の外へと向けていた視線をなんとはなしに機内へと戻す。 隣の彼女をみやれば、ひどくその顔色が悪いことに気付いた。 飛行機に酔ったのか、それとも。 搭乗前からだとしたら、いくら慌ただしかったとはいえ、今まで気づかなかったのが不思議なくらいだ。 よくよくみてみれば、目の下にはうっすらと隈もできている。 「あの、原さん」 真砂子は険しい表情で手元の参考書に目を通していたが、視線を上げ「何か?」と静かに返す。 「――どこか具合が悪いんやないですか?」 大丈夫ですか?とは訊けなかった。訊けば、彼女は「大丈夫」と答えるに決まっている。 「顔色があまりよろしくないです」 彼女の負担にならないよう、「乗り物、苦手ですか?」と付け加える。 「――ブラウンさんは、なんでもお見通しなんですね」 真砂子は小さく吐息を漏らし、瞳を閉じた。 「寝られていないんです、あまり。ロケが続いた後に学期末試験があって、その後すぐに補講が始まってしまって」 本来ならば今も補講の最中なのだが、急に仕事が入ったからと無理をいって、課題提出に代えてもらったという。 「あたくしの都合ですから。仕方ありません」 撮影も調査も、学校側には関係ないことだ。むしろ、補講を課題提出に代えるなんぞということを許可してくれるあたり融通のきく学校である。 「お気遣いありがとうございます。このくらいはなんでもありません」 と、真砂子は再び参考書を開く。 いつもながら、渋谷が絡んだときの真砂子の根性の入り方は並ではない。 呆れるを通り越して真剣に頭が下がる。 もっとも、麻衣にいわせるとそのあたりが「気に入らない」らしいのだが、他人からみれば微笑ましいことこの上ない。 「――……ブラウンさん?」 ジョンは苦笑し、真砂子の手の中にある参考書を閉じた。 「原さんの今しなくてはいけないことは何ですか?」 「……」 「体調管理もお仕事のうちですよ」 「――でも」 「何のために補講をお休みしたんですか?……そんな状態で行ったら、渋谷さんに追い返されてしまいますよ」 渋谷の名前を出した途端、真砂子は俯き、黙り込んだ。 「これは着くまで預かっておきますね」 といえば、大人しく従う。普段のプライドの高い彼女からすれば、ある種異様だ。 「いいんですよ、眠って。そんなに時間はありませんけど――着いたら、きちんと起こしますんで」 真砂子は小さく頷くと、座席に用意されていた毛布にくるまった。 「……ブラウンさんて、意外と意地悪なんですね」 「よくいわれます」 「――――」 毛布を顔までたくしあげると、真砂子は「これは仕返しです」といってジョンの肩へと頭をあずける。 「……随分、可愛らしい仕返しですね」 というジョンの呟きに真砂子は応えず、ただ微かな寝息だけがかえってきた。 |
2008年3月20日
早朝だというのに、羽田空港はざわついていた。 これから仕事に向かうのであろうビジネスマンに混じって、家族連れがやけに目立つ。世間は夏休みなのだから、これから揃って家族旅行にでも出かけるのだろう。 日本人ばかりの中で金髪はかなり目立つ。慣れているとはいえ、やはり晒し者になったようであまり良い気分はしないな、などとぼんやり考えながら、ジョンは出発ロビーの椅子に腰かけていた。 待ち人はまだ現れない。といっても、彼が待ち合わせ時間よりも早く来てしまったのだから、当然なのだが。 楽しそうに流れる人の波を眺めていると、ふいに周りが騒がしくなった。 「ねぇ、あれ――」 「うそぉ、ほんもの?」 みれば、周りの視線は一点に集中している。 そして、それは段々とこちらにやってきた。 「ごめんなさい、お待たせして」 日本有数の霊媒にして、お茶の間のアイドルの女子高生は、迷わずにジョンのところまでくると小さく頭を下げた。 「いいえ、時間通りですよ――それにしても、すごいですね」 「もう慣れました……それに、殆どのひとは半信半疑でしょうから」 あまりにも住む世界が違いすぎると、目の前に本人がいても『他人の空似』と片付けてしまいたくなるものらしい。 それにしても、目立つとわかっていながら和装でくるとはいつもの彼女らしくない。 東京の街中を歩くときならいざ知らず、空港にくればいやでも人目を引くというのに。 それ以前に―― 「その格好で飛行機に乗るのは大変やないですか?」 「いえ、特には……慣れていますから」 周りからみれば動きにくいことこの上ない格好も、本人は苦にならないらしい。 「暑くないですか?」 「それは言っても仕方のないことです」 真砂子は不思議そうに首を傾げ、それから自身の姿を見直した。 「何か、おかしなところでも?――いえ、着物の柄が似合わないとかいうのはなしですよ」 「いいえ。そんなことはないです。とてもようお似合いです――……ただ、大変そうやなぁって」 目立つ、動きにくい、そして暑い、と三拍子揃ったものをわざわざ真砂子が選んで着ているということがいまいち理解できない。 こうみえてかなりの合理主義な真砂子の性格から、そこだけ浮いているような気がするのだ。 もっとも、『好みの問題』といわれればそれまでなのだが。 真砂子は「大変かどうかは問題ではないんです」と答える。 「あの業界では顔が名刺みたいなものです。あたくしがテレビに出て、『和装の霊媒女子高生』としてお仕事をしている以上、視聴者はその通りのイメージを作ります」 メディアの力とはそういうものなのだという。 「ナルが依頼人にどうお話しているかはわかりません。けれど、『あの原真砂子がくる』と言っていたら?現れた人間がテレビとかけ離れたイメージでしたら、依頼人はがっかりするかもしれません。逆に、何も知らない場合でも、いきなり現れた人間がそうだと知ったら――やっぱり、同じでしょうね」 人間は無意識にイメージをつくり、それが壊されると何故かひどく気分を害されたと思う。なんて自分勝手な話だろう。 「あたくしには依頼人にこたえる義務があります。依頼人の期待を裏切らないようにするのも含めて、ね」 だから、大変だなんていっていられないという。 「――……原さんは、えらいですね」 言ってしまってから、場違いにもほどがある台詞だということに気付いたが、言ってしまったものは仕方がない。 真砂子は驚いたように二度、三度と瞬きをし、苦笑を浮かべる。 「そんなことはありません。なんだかえらそうなことを申しましたが、あたくしだって、一人でしたらきっとそんな余裕なんてなくて、洋服を着て伊達眼鏡でもかけて来ていたと思います」 「どういうことですか?」 ジョンが問うと、真砂子は悪戯っ子のように微笑んだ。 「――晒されるなら、一人より二人のほうがいいかと思いまして」 言われ、初めて、先程までの視線が気にならなくなっていることに気付く。 「原さん……」 『間もなく、13番の搭乗口から、搭乗手続きを開始いたします――』 ジョンが何かを言うよりも先に、出発ロビーに単調なアナウンスが響いた。 「まいりましょう、ブラウンさん」 「――ハイ」 ひとまず、彼女にかける言葉は胸のうちに閉まっておくことにして。 いつものようにやわらかく微笑むと、ジョンは真砂子の手を取って搭乗口へと歩きはじめた。 |
2008年3月14日
SPRの事務所はおおむねいつも暇である。 おまけに、最近は事務員が増え、それに伴ってか人(といってもいつもの懲りない面々だが)の出入りも多くなり、暇な上に賑やかという我らが所長サマのもっとも嫌がる状況が続いている。 「やっぱりね、オーソドックスにいくなら、お菓子だと思うんだ。チョコとか」 と、唐突に谷山麻衣はいった。 「そうですね。チョコレート貰ってチョコレート返すとゆーのは芸がない気がしなくもないですが、定番はチョコレートですね」 越後屋安原はしれっと返す。 「うん。飴とかマシマロって好み別れるしさ」 「最近は有名店のチョコレートを贈るのがブーム的なところもありますしねぇ」 「あたし、銀座のお店のやつ一度でいいから食べてみたい。二つで千円以上するやつ」 「あっはっは、必要経費で落としてくれるならいくらでも買ってきますよー」 楽しそうですね。と、ジョン=ブラウンはいう。 「どなたかに贈り物ですか?」 「そうです。美人でちょっとひねてるんだけど、素敵な女性に」 「そうそう。ひねてるとこがまたすごくかわいいのー」 麻衣は楽しそうに頷いた。 贈り物は、何を渡そうかと相手のことを頭に浮かべながら、考えているときが一番楽しいのだ。 「でも、あげるのはジョンだから」 「――――……は?」 麻衣はさも楽しそうに、というよりもむしろ嬉しそうにパチンと手を叩いた。 「イベント事は大切にしなくちゃ!」 今日は何月何日? と立て続けに訊いてくる。 「3月……13日、ですか?」 「そう!明日はホワイト・ディ――お返し待ってるわけじゃないけど、片思いの女の子はね、『もしかしたら……』って、結構思ってるもんなんだよ」 「あれ、じゃあ、谷山さんも所長からのを待ってるんですか?」 「いえー。ナル相手にそんなこと期待するだけ無駄ですって。てゆーか、五寸釘セットとかくれそうで怖いから、くれるっていってもいりません」 なにはともあれ、イベントは楽しい。 ちびっこも女子高生も主婦もナイスミドルもきっと楽しいに決まっている。 もっとも、どんなに楽しいイベントでも、忘れたり、乗り遅れたりしたら意味がない。 目の前の金髪碧眼かつ童顔の神父は、案の定その辺のことをすっかり忘れているようだった。 外国では日本ほど盛んなイベントではないというから仕方のないことだろうか。 「あ、それでしたら、きちんと明日渡そうと思って用意してありますよ。そんなに大したもんやないですけど、麻衣さんにはいつもお世話になってますんで」 「いや、あたしじゃなくて」 そりゃあ、貰えれば嬉しいけれど。 「もっと、他にあげなきゃいけないひとがいるでしょ?」 勿論、あえて誰とはいわないが。 それを察したのか、それとも今ひとつ理解していないのか。どちらともつかない表情でジョンは麻衣の話を大人しく聴いていた。 「ポイントはねぇ――なんかちょっと興味あるけど、絶対に自分じゃ買わないものかな」 「それで、できれば、思い出に残って、貰って嬉しくなるような……そんなものがいいですよね」 「そう。考えて選んでくれたんだなぁって、気持ちの伝わるものがベストだよね」 「え…………鉄道手帳?」 『……!?』 麻衣と安原は絶句した。 確かに、 なんかちょっと興味あるけど、絶対に自分じゃ買わないもので、 できれば、思い出に残って、貰って嬉しくなるようなもの(かどうかはわらないが)であり、 考えて選んでくれたんだなぁって、気持ちの伝わるもの。 ではあるが…………鉄道手帳はないだろう。 果たしてこの神父が鉄道手帳を貰って嬉しいのかはわからないが、答えが怖くて、麻衣は結局その質問をすることができなかった。 「谷山さん……」 安原の言葉に麻衣は静かに頷く。 「ジョン、買い物いこう。買い物」 「え、でも」 「いいから、いくの!」 麻衣はなんともいえない表情で見送る安原に手を振って、なんだか事情のよくのみこめていないジョンを半ば強引に連れ出した。 渋谷の街を片っ端から連れ回されたジョンが音を上げるのはまた別の話。 麻衣たちが余計な世話を焼く前から、彼が小さな金平糖を一つだけ特別に用意していたのもまた別の話。 |
2008年3月5日
照明を落とした部屋の中。 障子の隙間からうっすらと差し込む月明かりが霊媒の少女の顔を照らす。 先刻まで己が中に異形を押し込めていた負荷は確実に彼女を蝕んでいた。 死んだように眠る彼女は身じろぎ一つしない。 堅く閉じた瞼はぴくりとも動かなかった。 触れようと手を伸ばし、躊躇った。 行き場のなくした手のひらを見つめ、きつく拳をつくる。 「触れてあげればいいのに」 唐突に声が響いた。ややきつめなアルト。けれど、この声が時にはとても柔らかくなることをジョンは知っている。 そして、今、何故こんなにも硬いかも。 「……起こしてしまいそうですから」 「起きやしないわよ、その程度で」 仕草で「どいて」と示すと、綾子は枕元にかがみこみ、眠る彼女の額に当ててあるタオルをそっと変えた。 綾子の言葉通り、冷たいタオルに変えても彼女は固く瞳を閉じたままだった。 「余程疲れてたのね……当然か」 まるで彼の代わりだとでもいうように、綾子は彼女の髪を梳き、優しく撫でてやる。 「ナルが呼んでるわ」 「ハイ」 応え、部屋を後にしようとするジョンを綾子は呼び止めた。 「どうして、触れてあげないの?」 「ですから、起こしてしまいそうでしたから……」 「言い訳はいいの」 綾子はいう。 「――こわいの?」 「そんなことは――」 ない。と否定しかけて、それは嘘だと。 触れれば、今まで大切にしてきたものがすべて壊れてしまいそうで。 「……後で知ったら、いい気持ちはしないと思いますから」 「それは、あんたが、でしょう?この子じゃない」 触れることも触れられることも 受け入れることも受け入れられることも ――嫌なのは彼女ではない。 「男っていつもそう。相手のことを考えるふりだけはうまいのね」 やってらんないわ。と、綾子は毒づく。 「この子に応えてやれなんていわない。でも、あんたにはこの子を安心させてあげる義務がある。違う?」 それが、彼女に対する償いだとでもいうように。 綾子の問には答えずに、「失礼します」と短く告げて、ジョンは部屋を後にした。 残された巫女がやりきれないように小さく溜め息をついたことを、金髪の神父は知らない。 霊媒の少女は当分目醒めそうになかった。 |
2008年2月26日
一般的に学校の三学期は短い。 年が明け、学校が始まったと思ったらすぐに学年末考査が控えている。 「テストさえなければいいとこなんだけどねぇ」 今日も今日とて閑古鳥が鳴いている事務所でノートを広げながら、谷山麻衣は呟いた。 「安原さん、英語わかります?」 「受験英語ならかろうじて……でも、英語なら僕より所長のほうがいいのでは?」 「いやだなぁ、ナルにきいたところで『無知』よばわりされて終わりですよ」 あながち否定することもできず、安原は渇いた笑いをもらす。 「でも、テストはまだ先ですよね?そんなに焦ることもないのでは?」 どんなに試験が近いといってもあと二週間ほどある。いつもの麻衣なら未だに余裕をぶっこいて遊んでいる時期だ。 「後で真砂子がノートと虎の巻届けてくれるんです。真砂子の学校のほうが授業の進度早いみたいで、もう使わないからって」 だからそれまでに少しでも理解しておかないと、こちらもこちらで馬鹿にされかねない。 「絶対真砂子成績良いですよ……芸能人なのに」 「その辺抜かりはなさそうですからねぇ」 芸能人の成績が悪い、というのは明らかに偏見なのだが。原真砂子という少女が勉学に勤しむ暇がないくらい多忙であるというのは本当のことだ。 カラン、と鳴子の音が響き、件の霊媒少女がやってきたかと思えば、入ってきたのは意外な人だった。 「こんにちは、麻衣さん」 「ジョン!」 麻衣は、ちょうどよかったと言わんばかりに嬉々とした声をあげる。 「ちょっと時間ある?」 餅は餅屋。というわけではないけれど、英語のことは英語圏の人間に訊くのが一番だ。 事情を話し、お茶を淹れ、さて始めようかという頃に再びカランと鳴子が音をたてる。 やってきたのは今度こそ霊媒少女だ。 「あ、真砂子。まってたよー」 「それはあたくしを?それとも、ノートと虎の巻?」 真砂子のほんの少しだけ意地悪な問を、麻衣は笑顔で「両方」と答えて難なくかわす。 真砂子は「相変わらず現金ですこと」と苦笑しながら、定位置に腰を下ろした。 「ユニット13のノートがこちら。これがその範囲の課題プリント。新出単語と熟語を使った類題がかなりあるから復習にちょうどいいでしょう。虎の巻のアンダーラインはうちの学校で実際に出た部分です。後、これはうちの学校で実際に出た問題です。同じ問題は出ないでしょうけど、参考までに」 「至れり尽くせりですねー」 安原とジョンは感心したようにそれぞれ資料を手に取り、目を通している。 「内申がかかっているのでしょう?これで赤点でもとったら縁を切らせていただきますわよ」 「うん……前向きに善処する」 「善処?」 「いえ、頑張ります!」 あ。という小さな呟きとともに麻衣の足下にプリントが一枚ひらひらとやってきた。 「!?」 「すんません、落としてしまいました」 麻衣はプリントを拾い上げ、表をみる。 「――……84点」 麻衣がそう言い終わらないうちに、真砂子は麻衣の手からサッとプリントを奪いとった。 「別に隠すことないじゃん。そんなに点数いいんだし」 「麻衣!」 真砂子は珍しく真っ赤になって麻衣を睨み、その視線をジョンに向ける。 「……見ましたのね」 「すんません」 ジョンはどう反応していいのかわからないようで、苦笑をさらにかみ殺したような微妙な表情をしている。 「英語、お嫌いですか?」 「――苦手なだけです」 「この後、麻衣さんにカンタンな解説をするんですけど……原さんもいかがですか?」 「っ…………!」 ちょっと、失礼します。 と、真砂子は席を立ち、何故かトイレへと消えていった。 「ねぇ、ジョン……今のは地雷だと思うよ?」 「?」 何故だか全く理解していないジョンをみて、麻衣は内心で溜め息をついた。 「でも、なんで原さんが英語嫌いかもって思ったんですか?」 「そうだよ。点数すごくいいのに」 84点といえばなかなかのものだ。 パーフェクト、ではないが嫌いな科目で叩き出せる点数では決してない。 ジョンは少し思案するように、言葉を選んで話しだした。 「英作文が苦手みたいでしたんで」 「英作文?」 「ハイ。原さんが点数を落としてるのはほとんどが全文英作文の問題です。並び替えはできてるんです。あと、穴埋めの問題も選択肢があれば間違えてないんです。訳は全部できてるみたいですし。だから、これはもしかして……って思ったんです」 「なるほど」 「どういうこと?」 「つまり、資料を片っ端から丸暗記したんじゃないか……ってことですよね?」 「えぇ、まぁ」 それなら、得手不得手も好き嫌いも関係ない。 「でも、これだけの量ですから、丸暗記するだけでもすごいことやないかと思います」 そりゃあそうだ。 真砂子がどんな思いでひたすらこの資料を暗記していたのかと思うと、つい溜息が漏れる。 恋する乙女は偉大だ。 と、自分のことは棚に上げ、麻衣は心の奥で真砂子に同情した。 しばらくして、戻ってきた霊媒少女は「あたくしも、麻衣と一緒にお願いします」と自ら申し出て大人しく即席講義を受けていた。 あのプライドの高い彼女がよくもまぁ、といったところか。それともこれも乙女心のなせるわざか。 彼女がどうやって自分の感情と折り合いをつけたのかはまた別の話。 |
全部まとめてあとがき。
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